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東南アジア界隈について

BlackBerry 逆襲と衰退

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TokopediaやBukalapakのようなオンラインマーケットにとって、真のライバルは、FacebookTwitterBBMかもしれない。また、WhatsupやWechat、LINEの存在も決して無視する事はできない。今回は、BBMについて、特に着目して迫る。そもそも、日本ではBlackBerryは絶滅したと思っている人も少なくないのではないだろうか。若しくは、既に忘却の彼方かもしれない。BBMとは、ブラックベリーメッセンジャーの意味である。

かつて、インドネシアは世界一のBlackBerry大国である。どこの携帯電話ショップでも、BlackBerryは必ずある。インドネシア最大の通信事業会社Telkomselでは、1.300万人のスマートフォンユーザーのうち、約66%の890万人がBlackBerryユーザーだ。また、通信事業会社XLでも300万人のBlackBeryyユーザーを抱える。

そもそも、BlackBerry流行の背景は何だろうか。まず、流行の最大の要因としては、安い通信料だ。TelkomselでもXLでも、格安プランが存在し、月額500円程度でBBMが使い放題であったのだ。2010年前後、この使い放題キャンペーンは革新的であり、連絡手段として大変重宝した。電話でプリペイドを使い過ぎてしまっても、連絡手段がストップする心配が無いのだ。当然、若者内で大変流行した。

また、チャットが打ち易いキーボードも要因だ。インドネシアでは、中古の携帯電話の売買が非常に活発であり、どうしても安価なスマートフォンではタッチパネルの反応が悪くなってしまう傾向にある。BlackBerryのキーボードは、思った以上になかなか壊れず、タフなインドネシア市場に受け入れられたのだ。

しかし、BlackBerry全盛も長くは続かなかった。GDP上昇に伴い、iPhoneユーザーやAndroidユーザーが攻勢になったのだ。現在、BBMAndroidにも公開され、人々はBlackBerryの固執する理由は無くなった。デザイン的にも時代遅れとの認識も広まっていった。こうして、富裕層を中心にiPhone、中間層にAndroidが普及していった。 

富裕層を中心にiPhoneが流行るからこそ、無理をしてでもiPhoneを買う若者達が多い。彼等は、携帯電話を最低2台は携行している。iPhoneはファッション用のアイテムとしても、インスタグラムや自撮りの需要を満たし、BlackBerryやオンボロの携帯電話のBBMを通じ、旧知の友達との連絡を取り合うのだ。中途半端なiPhoneユーザーは、プリペイド切れでの音信不通は日常茶飯事であり、広い心を持って接することが寛容だ。

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